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help RSS 第20回函館市芸術ホール管弦楽団演奏会−ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調「合唱付き」Op.125−

<<   作成日時 : 2010/03/08 08:45   >>

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 昨日、「第九」公演のあった函館市芸術ホールの風景。


 北向きになるが、この病室からの風景がもっとも素晴らしい。

 残念ながら私の部屋にあらず。





 3月7日(日)15:00〜函館市芸術ホール


 第20回函館市芸術ホール管弦楽団演奏会



 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン


 序曲「コリオラン」Op.62 アレグロ・昆布漁・・・じゃない・・・コン・ブリオ

 交響曲第9番ニ短調「合唱付き」Op.125


 指揮:遠藤幸男

 ソプラノ:佐藤朋子

 アルト:石丸典子

 テノール:鈴木准

 バス:豊島雄一

 合唱:芸術ホール“第九”合唱団




 次の日に手術ということで、許可が下りる余地がなかったのだが、こっそり抜け出して聴いた。

 着替えると感付かれるので病衣の侭。

 ほんとに僅かな距離(300m程)だが、往復にタクシーを使う。

 そのちょっとした苦労が十二分に満たされた演奏会だった。


 車椅子席は最前列の一番両端の、合せて4席という障害者を舐めた場所で、私は下手側だったから勢い第1ヴァイオリンと管弦楽オブリガート付きの「第九」いう状況になってしまった。

 殆んどお一人お一人を聴き分けられたくらい。

 従って全体像はその辺を割り引かなければならない(想像で補正して聴いた感じ)。

 ということで、先ず弦、特に第1ヴァイオリンから受けた印象から。

 今回は細かい事は云うまい。


 練習でも感じたのだが、遠藤先生の指揮は様々なところでメリハリ、対比を付けられる。

 フレージングも時にザッハリヒに、時に柔らかく、そして軽やかに(1stヴァイオリンの弓使いはなかなかでした)。

 そしてアーティキュレーション、デュナーミクも含め、それは完全とは云えないまでもかなり全体として共有されていたのではないか。

 それが最大限に力を発揮したのが第3楽章“アダージョ・モルト・エ・カンタービレ”。

 まさにカンタービレ!

 第2ヴァイオリンも大変美しかった。

 ただ(だから細かい事云うなって)、後半メロディが木管に移ってピツィカートで合いの手を入れるところ辺りから、流石に疲れが目立ってきたようだ。

 少しコンセントレーションが乱れて、コーダも第1楽章、第2楽章のそれぞれにあった緊張感が、此処では幾分甘くなったのが残念。


 遡るが、第2楽章“モルト・ヴィヴァーチェ”も大変見事だった。

 最初から最後まで設計通りに運ばれたのでは。

 其処にライブの勢いが加わったわけだら、会心の出来と遠藤さんも思われたのではなかろうか。

 出だしから気合の篭ったアタックが好ましい。

 ティンパニも音色はもう一つにしても渾身の打撃が腹に響いた。

 全体としても早めのテンポと感じたが、第2楽章が典型的だったろう。

 その小気味よさが、トリオでの優美な木管のアンサンブルと好対照になった。


 第1楽章“アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ウン・ポコ・マエストーソ”は、やはり冒頭に迷いが見えたか。

 オーケストラの特性からしても、あまり弱音に拘らず、大らかに開始されても良かったのではないか。

 ホルンが少し躓いてしまったが、以後なかなか調子が上がらない様子が見えた。

 体調の問題か、少し心配である(あなたが心配している場合か?)。

 遠藤先生もこの楽章では交通整理に追われる部分が多かったのでは。


 実は演奏開始前のチューニングが気になったのだ・・・

 余り音程のことは云いたくないのだが、既にこの時点で問題ありでは・・・

 “チューニング”というものに対する“意思或いは意志”が感じられない。

 「第九」でのコンサートマスターを勤められた渡邊さんにはまだなんとかしようとする姿勢がみられたが、前プロの序曲「コリオラン」Op.62では全くおざなりだった。

 これでは「第九」の第1楽章を、よく整理され且つ所謂“精神性”も併せ持つ演奏にすることは到底不可能だろう。


 結局、細かい話になったなあ・・・

 
 余り、しかとは捉えられない状況だったが、何時も通り木管は美しく安定し、時に華やかに浮き出し(特にフルート)、金管も力感溢れていた。

 しかし(またまた)、第4楽章テノール・ソロのマーチが始まる前のファゴットだが、もっとホールの天井にまでたゆたうように響いて欲しいのである。

 これは奏者の責任ばかりではなく、ホールの音響特性等の問題でもある。

 此処では一段テンポを落とすべきではなかったか。

 付け加えると、合唱の例のサルマタ、あ、いや、フェルマータだが、更に延長されても良かったのでは。

 皆、まだ死ぬまで十分息があった。

 少なくとも聴いている私は平気だ。


 その第4楽章だが、第3楽章のコーダを終えて此処で少し息を入れたわけだが、間を措かず開始する手もあろう。

 いずれにしても前の三つの楽章を否定する、新たな始まりでなければならない。

 どうしても低弦の威力が物を云うところだが、些か微温的であったのではないか。

 コントラバスにしてもチェロにしても、演奏の“姿”からして“エモーショナル”なものを感じない。

 この点ではヴァイオリンの方は、皆ではないにしてもボーイングが形になっていた。

 
 ソリストの4人の皆さんはそれぞれ素晴らしかったが、やはり佐藤朋子さんが一段抜けていよう。

 どうか、その声を今後も変わらず保っていただきたい。


 ところで、「第九」の名盤というと数多あるが、一つ忘れられない秀演にフェレンツ・フリッチャイ/ベルリン・フィル盤がある。

 此れは全体としても瞠目に値する演奏だが、特に注目すべきなのはフィッシャー・ディスカウがバリトン・ソロを受け持つ唯一の盤であるということ。

 此れが聴き物なのだ。


 さて今回は豊島雄一さん。

 バリトンというよりバスだろう。

 どちらかというとバス歌手が受け持つケースが多いようだが、作曲当時から様々だったようで、例のレチタティーヴォも各種ヴァリエーションがある。

 本来“アド・リブ”とあるところも、大抵はストレートに歌うのだが、ベーレンライター版採用のサイモン・ラトル/ベルリン・フィル盤でソロを担当しているトーマス・ハンプソンは実際にアド・リブを加えている。

 一聴の価値有り。


 豊島さんも“バス”としての持ち味を充分に出された。

 テノールの鈴木准さんも若々しい好演。

 アルトの石丸典子さんも何時もながら安定されていた。


 合唱は本当に素晴らしかった。

 席が影響しているからかも知れないが、特にソプラノが良かったのでは。

 冷静にしかも熱いという、滅多に聴けないものだった。

 ソリスト級が多く含まれているので当然かも知れないが。

 対角線のバリトンが聴こえ難かったのが残念。


 今回は従前からのブライトコップ版だったが、総体としてスタイリッシュ且つ熱い名演となった。

 涙ぐんでいらっしゃった奏者もおいでだったが、此方も熱いものが込み上げる。

 今後、定期的に継続して行く道を皆で模索するべきだろう。

 その時こそステージに立たせていただきたいと願う。


 ブラヴォーを贈らせて貰ったが、皆さんが退場を始めると同時に此方もそそくさとタクシー乗り場へ。

 病院にばれてはいかん。

 

 また、遠藤先生に指揮者としてお目にかかる機会の早からん事を。

 札響演奏会では何時でもお聴き出来るわけだが。



 ところで、何時ものプアゾン・タンになっちゃうが・・・(腹立ち紛れ日記に名称変更しようかな)・・・


 プログラムの貴重な最初の全頁を使って、函館市文化・スポーツ振興財団理事長の金山氏という人物が写真付きで“ご挨拶”をしているが、この方は“私費”でこの財団を維持しているのだろうか?

 私は直接お目にかかった記憶がないのだが、練習に一回でも来て激励されたことがあるのだろうか?





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      五稜郭公園の堀はまだ凍っている。




 さあ、今日手術です。






 



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コメント(20件)

内 容 ニックネーム/日時
○ミューズむずとさらわれの心とらえたり

という内容だったようで良かったですね。
これだけ書く元気がおありなら、手術も心配無さそうですね。

それにしても

○さらわれといえども耳と舌はしたたか

祈手術的大成功!
joy
2010/03/08 12:42
無事終わりましたか
cosmos38
2010/03/08 18:12
手術は無事終えられましたでしょうか?
術後のリハビリ等も大変かもしれませんが、しっかりと直しておいてくださいませ。
inu
2010/03/08 20:07
お目覚めでしょうか?お疲れ様でした。
手術、全身麻酔で相当不安だったみたいですもね。
管は入れられましたか?

演奏会、よく聞きに来られましたね。さすがです。
1楽章冒頭のホルンについて書かれておりましたが、ここはくま吉が首席のフォローをしておきます。
たしかにおっしゃることは分かりますが、押し潰されそうなくらい緊張するAとEの五度はそう簡単ではありません。

私は重度障害者ですが、あそこのホール構造は体の悪い人にとって、何一つ優しくないホールです。
以前歩けなかった時は這って行こうかと思ったくらいです。
2階席に行くのにエレベーターすらありませんからね。

明日顔出しますね・・・
くま吉
2010/03/08 20:10
初めて書き込みをさせていただきます。
たかさごやさん、久しぶりにブログを拝見しましたが、大変なことになっていらしたのですね。
まずは、お見舞い申し上げます。
手術は無事に終えられたことと思いますが…術後が大事ですので、あまり無茶はなさらずにお大事にしてくださいね。
しじみのカアサン
2010/03/09 09:03
 午後手術という最初の話だったのですが、結局2:30開始、22:30終了ということになってしまいました。

 私も大変でしたが、毒多ー、じゃないドクター、スタッフも大変だったことでしょう。

 激励有難うございました。

 今日は流石に痛みが酷く、痛み止めで眠っていたような状態で・・・

 明日は、ほぼ回復しそうな按配です。

○皿割れて 九枚だったら お菊さん

たかさごや
2010/03/09 18:56
 cosmos38さん、今晩は。

 無事、終了しました。

 今度はリハビリですね。

たかさごや
2010/03/09 19:00
 inuさん、今晩は。

 痛み止めの影響で少し頭がはっきりしていませんが、やっとブログを開けるようになりました。

 明日から(多分)のリハビリ・プログラムが楽しみです。

たかさごや
2010/03/09 19:05
命に別状はないとわかっていても 心配でしたね。
コメントの返事も しばらくなかったので 難しいことになっているのでは・・・?

夕方 本町の 北陸銀行に行ったのですが 思わず病室のぞいてしまおうかな〜と思いました。

びっくり するだろうな!

と やめにしました。

頑張って リハビリしてください。
cosmos38
2010/03/09 19:08
 くま吉さん、今晩は。

 え〜と、全身ではなくて、半身麻酔でした。

 “管”は今日外しましたよ。

 比較的新しい設計のホールにしてはいただけませんね。
クロークもないのもねえ・・・

 ホルンは本当に難しいですね。

 つまり、そういったことも含めて弱音に拘らない開始、チューニングでは“音”だけではなく、“心”を整える事が必要、と付け加えたのです。

 今日は有難うございました。

たかさごや
2010/03/09 19:14
 しじみのカアサンさん、今晩は。

 ご心配かけまして。

 後3週間ほど不便な生活をしそうです。

 病院はよくしてくれています。

 リハビリは一生懸命にやりますね。

たかさごや
2010/03/09 19:19
 cosmos38さん、有難うございます。

 今日来ていただいても殆んど眠っていたでしょう。

 何時かお目にかかることを愉しみに・・・

たかさごや
2010/03/09 19:22
無事終了して何よりです。それにしても長い時間がかかったんですね。抜け出すぐらいだから、手術ももう少し楽なものと勝手に思っておりました。失礼いたしました。

しっかり静養、リハビリをなさってください。
joy
2010/03/09 21:17
 体調如何ですか、とにかく完全に治して一日も早く活動再開を願っております。第九も無事聴けて何より、それにしても評論分析力はすごいですね、音体験を文章で表現することは相当の体験・ヴォキャブラリーが豊富でなければ・・・雑感ですがたかさごやさんの活動エリヤからすると五稜郭・本町拠点にした方が案外良いかも。余計なお世話提案ですみません!お大事に
mass-jazz
2010/03/09 22:11
もう起きてるかな?

とにかく抜け出したりしないでゆっくりと静養をしてくださいよ^^

くま吉隊員に見張っててもらわないと(笑)
ぽんちゃん
2010/03/09 22:33
 joyさん、おはようございます。

 昨日はかなり痛かったんですが大分落ち着いてきました。

 暫らくは抗生物質の点滴が厄介です。

たかさごや
2010/03/10 06:05
 mass-jazzさん、おはようございます。

 ほんと赤川は大変ですね。

 できれば住みたいのは西部地区です。

 電停に近いところだったらそれほど違いはないのでは。

私にとっては聴く事を重点とした音楽生活が大切で、合唱活動もどちらかというと、よりよく聴く為の訓練といったほうがいいかも知れません。

 いずれにしても浸っていたいということですね。

 ジャンルは問いません。

 良いか悪いか、面白いかつまらないか、でしょう。

たかさごや
2010/03/10 06:15
 ぽんちゃん、おはようございます。

 まあ、後一週間ほどですから(多分)。

 その間、合唱練習が2回あるなあ・・・

たかさごや
2010/03/10 06:18
【たかさごや】さんへ……衷心よりお見舞い申し上げます。
ところで、「皿割れて……」の句に、たかさごやさんの心の余裕とウイットを感じました。
さて、22日の訪問演奏はご無理のようなので、次回のサマーコンサート(6月)に「オーソレミオ」のソロをよろしくお願い申し上げます。
どうか無理をなさらないで下さい。  寅

2010/03/10 15:55
 寅さん、どうもご心配かけて申し訳ありません。

 そうですね。22日だと松葉杖に馴れたかどうかというところでしょうから。

 どちらかというと慰問されるほうかも知れません。

 次回の機会によろしくお願いします。

たかさごや
2010/03/10 20:01

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