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zoom RSS “第21回函館市芸術ホール管弦楽団演奏会〜ハ短調の系譜〜”

<<   作成日時 : 2012/02/24 00:18   >>

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 函館の希望の星。





 1月15日(日)15:00〜函館市芸術ホール




 昨年の震災の影響で延び延びになっていた演奏会が、同じプログラムでやっと聴くことができた。

 一年越しだから期待も否応なく高まるというものである。

 さて、どうだったか?




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      一月の函館。




 演奏会前の時間に函館タワーに。

 2月始めに開催される、「はこだて光の小路」用のワックス・キャンドルを作る催しがあった。

 西部地区、五稜郭公園、函館山をキャンドルの灯りで彩ろうというもので、特に函館山は幻想的でお奨め。

 私も2年連続でお手伝いさせていただいた。

 函館の”冬”を彩る貴重なイヴェントだ。




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 函館市芸術ホール管弦楽団も平成11年以来21回の演奏会を迎えることになったという。

 もともとは弦楽器奏者向けのクリニックが発端だったそうで、中核メンバーの皆さんの多くはアンサンブル・アダージョにおいでのようだ。

 そのアンサンブル・アダージョの、昨年開催された演奏会が実に素晴らしかった。

 そこで今回のコンサートも否応なしに期待が高まったのだ。

 増して一年越しのことでもある。

 訝しいことに、結果として必ずしも100%それが満たされなかったのは何故なのだろう?

 2年間の稽古(と敢えて言おうかな)の成果を世に問う、という熱気に些か欠けるところはなかったろうか?

 逆に言えば、冷静に構築された演奏ということになるだろうか。


 最初はその弦楽アンサンブルを聴かせる、ドヴォルザークの弦楽セレナード。

 これはホ長調。

 パートのバランスが適切(ヴィオラも充実している)なので聴き応えがあった。


 続くコンチェルトとシンフォニーが共にハ短調。

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は高実希子さんがソリストを務めた。

 昨年はブラームスの独奏曲、ピアノ四重奏曲の秀演を聴かせていただいていたので、とても楽しみにしていたステージ。

 かなり高いところを期待していたが、それを更に上回る演奏だったのではないか。

 
 第3番は構成的には古典を踏襲しているが、その音楽にはベートーヴェンの個性が既に現れている。

 "傑作の森”の入り口に立つ作品だが、ハ短調とは云えどちらかというと“青春”の薫りが芳ばしい印象を持つ。

 ニ長調のシンフォニーと共通する気分があるのではないか。

 同じ調性の弦楽四重奏曲や交響曲の深み、厳しさにはまだ至らない。

 しかし、知・情・意のバランスに富む魅力作だ。

 第2楽章は緩徐楽章の達人、ベートーヴェンのものである。


 高さんは、長い序奏を待つ出だしのカデンツから集中力が高い。

 第一楽章は見事なカデンツァを含めて一気に聴かせてくれた。

 青春の抒情を湛えながらも、骨太の演奏。

 左手が物を云っている。

 優れた演奏家は男性も女性も関係ない。

 第2楽章のエスプレッシーヴォ、第3楽章ロンドの技巧・・・それぞれの楽想を絶妙に描き分けたのではないか。


 オーケストラは第3楽章を中心に木管が美しかった。

 弦楽器には些か問題ありで、何度も繰り返さなければならないが、ピッチをもう少しなんとかしていただきたい部分がある。

 序奏が長大なので尚更だ。

 これも以前から指摘しているが、演奏前のチューニングからして少しぞんざいではなかろうか?


 メイン・プロはブラームスのハ短調交響曲。

 此処でも木管楽器の美しさが際立った。

 特筆すべきはフルートの松石隆さん。

 第4楽章でのソロの怜悧な音色には鳥肌が立った。

 世界の一流オケでもなかなか聴くことができないのではないか。

 ロング・トーンでの微妙なうねりが実に素晴らしい。

 クラリネットの岩平さん、オーボエの東出さん、ホルンの三浦さんもそれぞれの魅力を十分発揮された。

 また、コントラファゴットが使われているのだが、今回これが明瞭に聴こえたのが興味深かった。

 渡邉さんの第2楽章(アンダンテ ソステヌート)でのヴァイオリンソロもお見事。

 ただ、好みで云うと此処は幾分かもう少し遅いテンポでそのソロを堪能したかった。

 
 遠藤幸男さんが指揮をされたが、全体として早いテンポが指定されている楽章は少し遅めに、遅い楽章は少し早めに設定されていたように思う。

 安全運転重視で、交通整理に力が削がれていたような印象があり、結果として曲の持つドラマチックな構造が必ずしも現し切れなかったかも知れない(力奏=ドラマチックではないだろうが)。

 想像だが、メンバーが揃った練習の積み重ねが不十分だったのではないか。

 遠藤さんも苦心の指揮だったのでは。


 水準を越える演奏であることは間違いないが、聴衆の要求は更に高いところにある。

 次の演奏会に一層の期待をしたい。




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